寝るだけで記憶力UP?学習効果を倍にする「睡眠」のヒミツ

こんにちは。

ねむりのサロンBlue Moonの青木優加です。

ねむりのお悩みにあらゆる方向からお手伝いする、ねむりのサロン経営と

「ねむりの保健室」という企業研修で社員様の睡眠のお悩みサポートから生産性を高める研修講師をしております。

今回は睡眠と学習の関係についてお伝えします。

「眠りながら新しい言語を習得できたら...」「寝ている間に資格の勉強ができれば...」

忙しい現代人なら、一度はこんな夢のような「睡眠学習」に憧れたことがあるのではないでしょうか?

「眠っている間に学習できるって本当ですか?」というご質問も研修でもよくいただくものの一つ。

今回はこの謎に迫っていきます。

睡眠は学習に不可欠

結論から言うと、眠っている間に新しい知識をインプットすることはできません。

しかし、睡眠には学習にとって驚くほど重要な役割があります。

それは、起きている間に学習した内容を脳に定着させる役割です。

つまり、「睡眠学習」というよりも「学習のための睡眠」という視点が重要なのです。

深く長い睡眠が記憶の強化する仕組み-ノンレム睡眠が鍵

なぜ睡眠が学習に重要なのでしょうか?

その秘密は、ノンレム睡眠にあります。

ノンレム睡眠、名前だけは聞いたことがある方も多いかも知れませんね。

ここで少しだけノンレム睡眠について説明します。

解説なしで先に進みたい方は、次の見出しに進んでくださいね。

ノンレム睡眠とは

深い眠りの状態を指します。

睡眠は大きく分けてレム睡眠ノンレム睡眠の2種類がありますが、

ノンレム睡眠は脳と体がしっかりと休息・回復する重要な時間です。

また深さによっても、一般的に1~3段階に分類されます。

ステージ1(入眠) うとうとし始める軽い眠り

ステージ2(浅い睡眠) 眠りが深くなり、意識がはっきりしなくなる

ステージ3(深い睡眠) もっとも深い眠りで、成長ホルモンの分泌や体の回復が促される

ノンレム睡眠中、特にN3と呼ばれるステージ3の深い睡眠段階では、脳内で記憶の整理と強化が行われています。

眠っている間に脳は、こうして段階を経て日中に取り入れた膨大な情報を「重要」と「不要」に分類し、重要な情報を長期記憶として定着させる作業をしているのです。

また、この他にも眠っている間に、以下のような回復作業が行われているんですよ。

  • 疲労回復:筋肉の緊張がゆるんでエネルギーが回復される
  • 細胞修復:損傷した細胞が修復され、身体機能が正常に維持される
  • ストレス解消:適切なストレスホルモン分泌により心身のバランスを保つ
  • 免疫力強化:身体を感染症から守る免疫システムの強化

これらの効果は、直接的にも間接的にも学習能力を向上させます。

疲れた脳では効率的な学習はできないのは想像できますよね。

睡眠が記憶定着に与える驚きの効果

睡眠が学習に与える効果を示す興味深いデータがあります。
(参考元:https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/23968216/

ハンブルグ大学の研究では、単語学習後に3時間の睡眠を取ったグループと、3時間起きたままのグループで記憶の定着度を比較しました。

結果は歴然でした。

  • 睡眠を取ったグループ:成績向上率 32.4%
  • 睡眠を取らなかったグループ:成績向上率 16.5%

つまり、同じ学習時間でも、その後に適切な睡眠を取ることで、記憶の定着率は約2倍になるということです。

また、記憶には大きく分けて二種類あります:

  • 陳述記憶:言語化できる知識やエピソード(漢字、歴史的事実、昨日会った人など)
  • 手続記憶:身体で覚える技能(自転車の乗り方、楽器演奏など)

どちらの記憶も、睡眠によって強化されます。

特に興味深いのは、記憶の種類によって関与する睡眠段階が異なる点です:

  • 深いノンレム睡眠:短期記憶を長期記憶に固定化
  • 浅いノンレム睡眠:ひらめきや創造的思考に関与
  • レム睡眠:身体運動を伴う技能の定着に重要

今日から試してみてね。効率的な学習のための睡眠活用法

では、学習効率を高めるために、睡眠をどう活用すればよいのでしょうか?

  • 重要な学習の後には良質な睡眠を確保する
  • 試験前の徹夜は避け、適切な睡眠時間を確保する
  • 新しい技能を学んだ日は特に睡眠の質に気を配る
  • 就寝前にリラックスする時間を設け、睡眠の質を高める

残念ながら、睡眠中に新たな知識を吸収する魔法のような方法はありません。

それでも適切な睡眠は、日中の学習効率を飛躍的に向上させる「現実の魔法」と言えるでしょう。

まとめ

睡眠学習は残念ながら科学的には不可能ですが、睡眠そのものが学習プロセスの重要な一部であることは間違いありません。

特にノンレム睡眠の一番深い睡眠の段階は、記憶の定着や整理に不可欠です。

効率的に学習したいなら学習時間を増やすことだけでなく、質の高い睡眠を確保することも同様に重要です。

徹夜や睡眠不足の状態で一夜漬けをするよりも、適切に睡眠を取りながら学習する方が、結果的に効率が良いのです。

次回テストや重要な学習の前には、「もう一時間勉強するか、それとも一時間早く寝るか」と迷ったら、早く寝ることを選んでみてはいかがでしょうか。

その方が、学習内容がしっかり定着する可能性が高いのですから。

睡眠は単なる休息ではなく、学習した内容を脳に刻む貴重な時間です。

質の良い睡眠を大切にすることで、学習効率を最大化してくださいね。

お知らせ

いかがでしたか?睡眠と学習の関係について、少しでも参考になれば嬉しいです。

ねむりのサロンBlue Moonでは「ねむりの保健室」というstand.fmでも、睡眠の大切さや知識をお伝えしています。

40代からの心と身体のセルフケアをテーマに、科学的根拠に基づいた睡眠の知恵をわかりやすくお届けしていますので

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